埼玉県知事の大野もとひろです。

昨年は、新型コロナウイルス感染症対策に明け暮れた一年でした。皆様には、外出の自粛や施設の使用停止など、格別の御理解と御協力をいただきました。改めて心から感謝を申し上げます。

引き続き、新型コロナウイルスに強い危機感と緊張感を持ちつつ、感染防止対策と社会経済活動の両立をでき得る限り維持していくことが必要です。これからも、県民の皆様を守るために最善の方法を選択し、この困難な問題の解決に全力で取り組んでまいります。

現在、新型コロナウイルスへの対応の一つとして、テレワークやキャッシュレス決済など、接触機会を低減させつつ社会生活を送る取組が予想を上回る速さで家庭や職場に広がっています。

これらの変化を的確に捉え、「働き方改革」や「誰もが活躍できる社会」の実現に挑戦していくため、官民問わず様々な分野で変革を促すデジタル・トランスフォーメーション(DX)を重点的に推進してまいります。

また、これから埼玉県には少子化や急速な超高齢化に伴う本格的な人口減少社会が到来します。このため、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」を進めることにより、医療・介護需要の増加や働き手の不足などの課題に対する私なりの答えを形にしたいと考えています。

具体的には、「コンパクト」なまちづくりとして、生活圏を集約化し、職住近接による子育て環境の向上を図ります。次に「スマート」の視点を取り入れ、AIやIoTを活用し高齢者の見守りを行うなど、効率的で効果的な取組を進めます。

そして最後は「レジリエント」を意識し、災害に強い技術やエネルギーの強靭化などにより安心・安全を高めることで、人生100年時代にふさわしいまちづくりを目指します。

こうした施策をはじめ、県の施策を横断的に貫く一本の柱とも言えるのが「埼玉版SDGsの推進」です。誰一人取り残さない持続可能な「日本一暮らしやすい埼玉県」を実現するためにも、県内の様々な方々に御参加いただきたいと考えています。

今年は、埼玉県が誕生して150周年を迎えます。この節目の年に私たちのふるさと埼玉の魅力を県内外へ、そして未来へ伝えていきます。

また、本県が誇る偉人の一人、渋沢栄一翁を描いた大河ドラマ「青天を衝(つ)け」が始まります。時代の大渦に翻弄されながらも、高い志を持って未来を切り開いていく過程は必見です。

そして、いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も開催されます。感染防止対策などに万全の体制を整え、スポーツの振興はもとより、多文化交流や共生社会の推進などにより、皆様と一緒に次代へ引き継ぐレガシーを創り上げたいと思います。

新しい年も、県民の皆様と、干支の丑(うし)にちなんだ、粘り強さと堅実さを兼ね備えた「ワンチーム埼玉」となって、共に前進してまいりましょう。

令和3年1月

大野もとひろ